jQueryのセレクタ一覧と指定方法をデモ付きで解説

jQueryのセレクタの概要と種類をまとめました。

セレクタの記述方法を幅広く知っておくことで、より効率的な開発を目指していきましょう。

このページでは、セレクタのサンプルソースコードをあわせて載せておくので、コピペして実際にご確認ください。

セレクタとは?要素を指定する時に使う記述です

セレクタは、$()で囲って操作したい要素を指定するときに使います。

セレクタ(操作したい要素)をメソッド(処理したい内容)で合わせて記述し、要素を動かすことが出来ます。

基本的なセレクタの指定方法

まずはjQueryのセレクタといったらこれ!というべき基本的な記述について抑えましょう。

クラス指定、ID指定、タグ指定の記述を最初に抑えよう

クラス指定、ID指定、タグ指定の3つは、最も使いやすく最も使うであろう記述なので、まずはこれから覚えてください。

指定先 記述例 解説
class指定 $('.sample') 先頭に.(ドット)
id指定 $('#sample') 先頭に#(シャープ)
HTMLタグで指定 $('p') タグをそのまま記述
サンプルコード
<div class="sample">クラスを指定</div>
<div id="sample">IDを指定</div>
<p>pタグを指定</p>

<script>
$(function(){
    $('.sample').css('color', 'blue');
    $('#sample').css('color', 'green');
    $('p').css('color', 'red');
});
</script>
クラスを指定
IDを指定

pタグを指定

複合的なセレクタ指定

OR指定

要素を複数設定したい場合は、カンマ区切り(,)で指定することで〇〇または〇〇といった指定が出来ます。

サンプルコード
<div class="sample">クラス</div>
<p>pタグ</p>

<script>
$(function(){
    //.sampleとpタグを指定する
    $('p, .sample').css('color', 'red');
});
</script>
クラス

pタグ

AND指定

条件を複数指定したい場合は、スペースや区切り文字がなく繋げて記述します。

サンプルコード
<div class="sample">クラス</div>
<div class="sample hogehoge">pタグ</div>

<script>
$(function(){
    //divかつ.sampleを持つ要素を指定
    $('div.sample').css('color', 'red');
    //.sample.かつ.hogehogeを持つ要素を指定
    $('.sample.hogehoge').css('color', 'blue');
});
</script>
クラス
pタグ

子要素をセレクタ指定

特定の要素の子要素をセレクタ指定する方法です。

指定先 記述例 解説
子孫要素 $('.parent .child') 親要素と子要素の間にスペース
直下の子要素 $('.parent > .child') 親要素と子要素の間に「>」

子孫要素を含めたすべての子要素

サンプルコード
<ul class="sample">
    <li>リスト1-1</li>
    <li>リスト1-2</li>
    <li>リスト1-3</li>
    <ul>
        <li>リスト2-1</li>
        <li>リスト2-2</li>
        <li>リスト2-3</li>
    </ul>
</ul>

<script>
$(function(){
    //.sampleのすべての子要素を指定する
    $('.sample li').css('color', 'red');
});
</script>
  • リスト1-1
  • リスト1-2
  • リスト1-3
    • リスト2-1
    • リスト2-2
    • リスト2-3

.find()メソッドを使用した子要素指定も可能です。

$('.sample').find('li').css('color', 'red')

直下の子要素

サンプルコード
<ul class="sample">
    <li>リスト1-1</li>
    <li>リスト1-2</li>
    <li>リスト1-3</li>
    <ul>
        <li>リスト2-1</li>
        <li>リスト2-2</li>
        <li>リスト2-3</li>
    </ul>
</ul>

<script>
$(function(){
    //.sampleの直下の子要素を指定する
    $('.sample > li').css('color', 'red');
});
</script>
  • リスト1-1
  • リスト1-2
  • リスト1-3
    • リスト2-1
    • リスト2-2
    • リスト2-3

.children()メソッドを使用した子要素指定も可能です。

$('.sample').children('li').css('color', 'red')

子要素指定のメソッドはこちらのページでもまとめております。

jQueryで子要素を取得するfindとchildrenの使い方【サンプル有】

親要素の指定は$()内の記述ではなく、.closest()や.parent()メソッドの使用が効率的です。

jQueryで親要素を取得するclosest,parent,parentsの使い方【サンプル有】

属性でセレクタ指定

フォーム部品のname属性やdata属性などを参照してセレクタの指定もできます。

aタグのhrefや、class名なども検索で指定できます。

$('[name]') name="(値問わず)"を持つ要素
$('[name="test"]') name="test"を持つ要素
$('[name!="test"]') name属性がtestと不一致の要素
$('[name^="test"]') name="test~" name属性がtestで始まる要素
$('[name$="test"]') name="~test" name属性がtestで終わる要素
$('[name*="test"]') name="~test~" name属性にtestが含まれる要素
サンプルコード
<p class="fuga">fuga</p>
<p class="hoge">hoge</p>
<p class="fugahoge">fugahoge</p>

<script>
$(function(){
    //classがfugaから始まる要素の文字を赤くする
    $('[class^="fuga"]').css('color', 'red');
});
</script>

fuga

hoge

fugahoge

フィルタリングセレクタ指定

指定した要素にフィルタをかけてセレクタを指定する記述です。

表示・非表示で設定

$('.sample:hidden') 非表示にしているセレクタ
$('.sample:visible') 表示されているセレクタ
サンプルコード
<p>テキスト1</p>
<p style="display: none;">テキスト2</p>

<script>
$(function(){
    //非表示のpタグを表示に変更
    $('p:hidden').show();
});
</script>

テキスト1

テキスト2

チェックが入ったチェックボックスを指定

チェックボックスにチェックが入った要素を指定したい場合は:checkedを付けることで選択できます。

サンプルコード
<input type="checkbox" name="sample" value="apple">りんご
<input type="checkbox" name="sample" value="banana">バナナ
<input type="checkbox" name="sample" value="grape">ぶどう
<p class="sample_result"></p>

<input type="button" class="sample_btn" value="チェックの値を取得する">

<script>
$(function(){
    $('.sample_btn').click(function(){
        $('.sample_result').empty();
        $('input[type="checkbox"]:checked').each(function(index, element){
            $('.sample_result').append('<p>' + $(element).val() + '</p>');
        });
    });
});
</script>
りんご バナナ ぶどう

このサンプルでは、チェックが入ったチェックボックスを繰り返し取得する.each()メソッドを使用しております。

jQueryのeachで配列や要素を繰り返す方法【サンプル有】

使用可否の状態で指定

$('input[type="text"]:enabled') 使用可能
$('input[type="text"]:disabled') 使用不可
サンプルコード
<input type="text" name="sample" value="使用可能">
<input type="text" name="sample" value="使用不可" disabled>

<script>
$(function(){
    //使用不可のテキストボックスの背景を赤に変更
    $('input[type="text"]:disabled').css('background-color', 'red');
});
</script>

先頭や末尾、番号指定

$('.sample:first') 指定セレクタの最初の要素
$('.sample:last') 指定セレクタの最後の要素
$('.sample:even') 指定セレクタの偶数番の要素
$('.sample:odd') 指定セレクタの奇数番の要素
$('.sample:eq(n)') 指定セレクタのn番目の要素
$('.sample:gt(n)') 指定セレクタのn番目より後の要素
$('.sample:lt(n)') 指定セレクタのn番目より前の要素
サンプルコード
<ul>
    <li>リスト1</li>
    <li>リスト2</li>
    <li>リスト3</li>
    <li>リスト4</li>
    <li>リスト5</li>
    <li>リスト6</li>
    <li>リスト7</li>
    <li>リスト8</li>
    <li>リスト9</li>
    <li>リスト10</li>
</ul>

<script>
$(function(){
    //最初の要素を太文字に
    $('li:first').css('font-weight', 'bold');
    //最後の要素を太文字に
    $('li:last').css('font-weight', 'bold');
    //偶数番の要素を赤字に
    $('li:even').css('color', 'red');
    //奇数番の要素を青字に
    $('li:odd').css('color', 'blue');
    //0から数えて5番目の要素の背景を黄色に
    $('li:eq(5)').css('background-color', 'yellow');
    //0から数えて7番目より後の背景を緑色に
    $('li:gt(7)').css('background-color', 'yellow');
    //0から数えて2番目より前の背景を緑色に
    $('li:lt(2)').css('background-color', 'yellow');
});
</script>
  • リスト1
  • リスト2
  • リスト3
  • リスト4
  • リスト5
  • リスト6
  • リスト7
  • リスト8
  • リスト9
  • リスト10

子要素の先頭や末尾、番号指定

$('.sample:first-child') 指定セレクタの親要素から見て一致する最初の要素
$('.sample:first-of-type') 指定セレクタの親要素から見て最初に登場する要素
$('.sample:last-child') 指定セレクタの親要素から見て一致する最後の要素
$('.sample:last-of-type') 指定セレクタの親要素から見て最後に登場する要素
$('.sample:only-child') 指定セレクタの親要素から見て一致する1つしかない要素
$('.sample:only-of-type') 指定セレクタの親要素から見て一致する1つの要素
$('.sample:nth-child(n)') 指定セレクタの親要素から見て検索に一致するn番目の要素
$('.sample:nth-of-type(n)') 指定セレクタの親要素から見て検索するn番目の要素

~childと~of-typeの違い

一見同じように見えて実は処理が違うフィルタリングの~childと~of-typeですが、「~child」は厳格な一致のみ対応し、「~of-type」は柔軟に対応する、といった形で覚えてください。

ここで比較例を出します。

サンプルコード
<div class="sample1">
    <p>1番目の子要素かつ1番目のpタグ</p>
    <p>2番目の子要素かつ2番目のpタグ</p>
    <p>3番目の子要素かつ3番目のpタグ</p>
</div>

<hr>

<div class="sample2">
    <div>1番目の子要素かつ1番目のdivタグ</div>
    <p>2番目の子要素かつ1番目のpタグ</p>
    <p>3番目の子要素かつ2番目のpタグ</p>
</div>

<script>
$(function(){
    //親要素から見て一致する最初の要素を赤字に
    $('p:first-child').css('color', 'red');
    
    //親要素から見て最初に登場する要素の背景を黄色に
    $('p:first-of-type').css('background-color', 'yellow');
});
</script>

1番目の子要素かつ1番目のpタグ

2番目の子要素かつ2番目のpタグ

3番目の子要素かつ3番目のpタグ


1番目の子要素かつ1番目のdivタグ

2番目の子要素かつ1番目のpタグ

3番目の子要素かつ2番目のpタグ

first-childで指定した赤字は、後者の.sample2には適用されていません。

これは、指定(pタグ)した親要素(.sample2)の1番目の子要素がpタグではなくdivタグだからです。

それに対して、first-of-typeは親要素から最初に登場するpタグに適用するため、最初の要素のタグ問わず指定できます。


jQueryのセレクタ指定をサンプル付きでまとめました。

記述を忘れそうになったらこちらのページでご確認頂けると嬉しいです。

以上、jQueryのセレクタ一覧と指定方法をデモ付きで解説、でした。

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