試行錯誤を続けたスマブラオンライン大会の進行方法

本記事は、寝椅子さん(@newenwere)が企画されたスマブラ Advent Calendar 2019への参加で書いたものです。

さて、スマブラというゲームが初めてオンライン対戦が出来るようになったのは、2008年冬に発売されたWiiのスマブラXからです。

それまでは本当にオフラインでしか対戦できなかったうえに、ゲームセンターみたく猛者が集まるような場所もない家庭用ゲーム機だったので、このオンライン対戦は多くのスマブラやり込み勢を輩出したきっかけとなっていました。
もちろん、自分もその中の1人です。

私はスマブラXでオンライン対戦の魅力にどっぷりハマり、発売後すぐにスマブラXのオンライン対戦の大会を開きました。

それが楽しくて、第2回、第3回…と開き続け、スマブラXでは累計で10回以上の大会を開いてきました。

また、それに続く続編、スマブラ3DS、スマブラWiiU、そして最新作のスマブラSPでも、オンライン大会の主催・企画などを行ってきました。

その中で、オンライン大会を開くにあたって、主催者として潤滑に進行を行うために、当時流行っていたツールや技術、最終的にはプログラミングの自作で、オンライン大会の完成系を探し続けました。

今回は、私がオンライン大会主催として試行錯誤を行ってきた、

  1. チャットに全員集合型
  2. 掲示板進行型
  3. Challonge連携型
  4. 完全内製型

の4つの主催パターンをまとめて備忘録の記事です。

1.チャットに全員集合型

スマブラX時代は、オンライン対戦が実装されたといえど、今みたくWi-fi環境が整っている家庭も少なく、また当時はスマートフォンは普及しておらず、インターネット接続はパソコンが主流でした。

そのため、オンライン対戦自体の人口は、今とは比べものにならないくらい少なかったと記憶しています。

なので、今は人数が100人を超えるオンライン大会は割とあったりするのですが、当時は30人も集まれば多い方でした。
私がスマブラXで開いたオンライン大会の最多の参加者は33人です。

さて、そんな私がスマブラXで開いた大会の主な進行方法は、

「参加者全員をブラウザチャットに集合させて、進行及び会話を行う」

というものでした。

当時のブラウザチャットとしては高性能なJetChatを使っていました。

当時のオンラインチャットといえばこれでした。

1つのチャットルームに参加者全員が集合し、対戦相手とやりとりを行いながらトーナメントを進行させていく、という方式です。

また、これとは別に、お絵描きチャットを使って進行を行ったものもありました。

お絵描き機能で大会のトーナメント表が描けたので、少人数ならばとても分かりやすく進行できます。
これは2008年当時に、実際に大会を開いた時の絵ログです。

チャットという小さな箱に参加者全員を詰め込むため、大会の参加者の人数が多ければ多いほど不便になるため、10人~30人までが限度な進行方法だと思います。

ただ、参加者全員で大会を楽しむという一体感がチャットの雰囲気としてあり、とても和気あいあいとした空気がとても魅力的に感じていました。
また、大会で戦った参加者同士が友達になっていく、繋がりが出来やすいのもチャット進行ならではです。

思い出補正、といえばそれまでですが、やはり私が大会を開いた原点がこの進行方法だったので、なんだかんだ大会を主催して一番楽しかった瞬間はこの時代だったと思います。

大会用に作ったチャットは、気が付くと大会がない時も参加者が集まるようになり、学校終わりにチャットを覗けば誰かいる、という状態でした。

この時(2008年)に知り合ったスマブラ仲間は、2019年となった今年になっても直接会って遊ぶ仲間もいます。

この時から、大会の結果ではなく、大会を通じて同じゲームを楽しむ仲間を見つけることが出来る、オンライン大会の魅力にどっぷりハマっていました。

2.掲示板進行型

チャットで進行を行う方式は、人数が50人以上にもなると流石に難しくなっていきます。
チャットの書き込みは寿命が短く、連絡を取るための書き込みがすぐに流されてしまうからです。

当時の自分はチャットで進行を行うものが主でしたが、スマブラX~スマブラfor当時の他の主催者は、掲示板のような、書き込みが半永久的に残るものを連絡ツールとして使用している大会が多かったです。

当時はかなり大規模で注目度が高かったスマブラXの「wifi板スマブラXタイマントーナメント」という大会は、2chの書き込みで進行を行っていました。

うみうし杯タミスマは、ニコニコ動画のブロマガ機能を使用して、参加申請及び進行の連絡ツールを使用していましたね。

ブロマガのコメント欄を掲示板的に使用し、参加者は大会の結果報告を行います。
主催者はそれを見て、「トーナメントくん」などの大会管理ツールを使用して表を更新していきます。

僕もスマブラfor時代に一度、自作の掲示板を用意して進行したことがありましたが、この時代は積極的に大会を開いてはいなかったため、他の方の大会を事例として参考に挙げさせて頂きました。

3.Challonge連携型

スマブラfor中期くらいには、「大会は配信が前提としてあるもの」という風潮が強まり、配信環境を持たない自分の出る幕ではないな、と思っていました。(他の配信者に依頼して開いたことなどはありましたが)

ただ、前述の通りオンライン大会の魅力を身をもって体感している僕は、ならば今活躍されている主催者の力になりたい、と考えるようになりました。

掲示板で大会の進行を行う方式はとても安定感がありましたが、それと同時にいくつか簡略できる手順もあるのではないか、と常々考えていました。

チャット型、掲示板型の大会進行の流れは、

  • 参加者が次の対戦相手を確認して対戦を行う
  • 参加者が掲示板に勝敗結果を書き込む
  • 主催者が参加者の書き込みを元にトーナメント表の更新を行う

このループによって進められます。

ただし、最後の「主催者が参加者の書き込みを元にトーナメント表の更新を行う」は、本来は不要な作業です。

というのも、対戦の結果が実際はどうだったかなんて、大会主催が分かるはずもなく、確認するすべもありません。
参加者の対戦結果報告は完全にモラルに委ねるものとして、進行されてきたのが実情です。
(嘘をつく参加者は確実に当事者からの通報が入るため、嘘の報告をする人など滅多にいませんし)

つまり、参加者が結果報告をすると同時に、トーナメント表が更新される仕組みこそが、大会進行を潤滑に進められるツールとして求められているのではないか、と考えるようになりました。

また、Challongeという大会管理サービスには、大会の進行を制御するAPIが配布されており、これを使うことでサイト内からChallongeへアクセスして大会を進行を行うことが可能でした。

そして、Challonge APIを使用して、運営しているスマブラSNSスマメイトで、大会機能をリリースしました。
これが2016年頃のことです。

APIを使用することで、

  • 参加者が掲示板に勝敗結果を送信する
  • トーナメント表が更新される

という、主催者の更新レスな仕様となりました。

これが参加者に表示される結果送信画面。
チェックを入れてボタンを押すだけで、トーナメント表が更新され、次の対戦相手が決まった場合は繰り返し同じ操作で大会を進行していく。

実際にこの機能を主に使用して頂いた「タミスマ」では、100~200人規模の大会が何度も開かれるほどになりました。

ただ、この仕様で行う大会にはいくつか不便な点も。

  • 主催者にChallongeアカウントの登録を必須としてしまったこと
  • 進行が完全にChallongeに委ねられてしまったこと
  • スマホでトーナメント表の埋め込みが出来なかったこと

1つは、この大会機能を使用する主催者は、Challongeアカウントの登録を必須にしてしまったこと。
これにより、主催のためのハードルが上がってしまいました。

2つは、進行のための機能が完全にChallonge依存であること。
つまり、Challonge側に不具合があったり、サーバーダウンなどがあったりしたら完全に大会の進行そのものが出来なくなってしまいます。
過去に一度、それにより主催大会が途中で止まる事態も。
また、常時Challongeとの通信が必要な以上、サーバーに与える負荷も大きかったです。

3つめは、大会のトーナメント表の埋め込みがスマホでは不可能だったこと。

PCではこのように、サイト内にトーナメントを入れることが出来ましたが、スマホの場合は不可能でした。
外部リンクに飛ばして、逐一確認してください、とすることしかできませんでした。

この時代になるとインターネットへのアクセスはスマホが完全に主流だったので、効率化を求めて大会機能を実装した自分にとっては不服でした。

自分の中でいろいろと不満な点が募り、このChallonge連携の大会はスマブラSPの発売と同時に、大会機能として終了させました。

誤解の無いように言っておくと、ChallongeAPI自体はものすごく便利でした。
これだけのAPIを無料で使えたなんて本当恵まれていたと思います。
ただ、自分の求める大会像と合わない点がいくつかあったので、スマブラSPでは別の方法を模索することにしました。

4.完全内製型

Challonge APIは外部連携が必要だったのが問題点でしたが、参加者による自動更新自体は便利なものだったので、それは引き継ぎつつ、もっと使いやすい大会が作れないか、と考えていました。

特に重視したのは、パソコンよりも圧倒的な比率を誇るスマホユーザーに使いやすい対応。

狭い画面を扱うスマホユーザーにとっては、1画面ですべてを完結させることが必須です。
なので、チャット、掲示板、APIなどの外部の機能を一切排除することで、ページ遷移なしで大会の進行を確認できるようにしたい。

ただ、そこまで自分の理想を考えると、もう自分自身で大会機能そのものをすべて作るしかありませんでした。
ChallongeAPIのような、大会機能として信頼できる機能を採用しない、という決断は自分にとってかなり勇気が必要なものでした。

トーナメント表の仕組みは数学的な考えが必要で、数学が苦手な自分は本当にこれがしんどかった。
そんな中、仕事終わりにちょこちょこ開発を続けて、1週間でなんとか形にできる大会機能を作ることが出来ました。

スマホ、パソコン両方に対応したUIの大会機能です。

参加者の結果報告は、大会の表をタップすることで報告できます。
また、参加者が何百人ものなると、トーナメント表で自分の位置を確認することすら困難なので、「自分の位置」というボタンを用意して、直ぐに自分の名前を確認できるようにしました。

基本的にページ遷移なしで、すべてを完結できるよう意識しました。

主催者や対戦相手との連絡は別途コメント欄を用意しています。
スライドでコメント一覧に移動し、トーナメント表の相互の確認をやり易くしています。

スマブラSPに合わせてこちらの大会機能をリリースしました。

スマブラSPの盛り上がりもあると思いますが、リリースして約1年で大会は900回以上開かれ(1日2大会以上のペース)、総参加者は50000人を超える盛り上がりを見せました。

ChallongeAPIとの連携を切り、スマメイトアカウントさえ登録してもらえたらだれでも大会を開ける・参加できる仕様となったため、大会のハードルが大きく下がったのも良かったです。

また、内製化を行ったことで大会データを元にしたコンテンツも作りやすくなり、ユーザーページに参加した大会の履歴を掲載したり、大会の実績でランキングを作る「大会ポイントランキング」なども作ることが出来るようになりました。


10年前のスマブラXから大会を開いて以降、オンライン大会には強い魅力を感じていました。

主催者としては一線を引いた今でも、ならば現主催者のために何か提供したい、何か関わっていたい、そう思わせるほど、オンライン大会はとても楽しいものです。

僕がスマブラX時代にそうだったように、10年以上繋がっていられるような同じゲームを楽しむ仲間を、是非スマメイトを通じて、オンライン大会を通じて、探してみてください。

以上、試行錯誤を続けたスマブラオンライン大会の進行方法、でした。

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